柳光子先生の「学生にすすめるこの一冊」

刊行されたばかりの、フランス文学をめぐる「旅」案内です。名作の舞台となった場所や、作者ゆかりの土地へと読者を案内してくれますから、海外旅行気分を味わいつつ、読書の幅を拡げるヒントを得ることもできるでしょう。エッセー風に気軽に読める項目もたくさんありますが、全体としては中世から現代までカバーしたフランス文学案内となっており、通読すれば文学を中心とするフランス文化の全体像をかなり把握できるものと思われます。文学全集に収録されているような作品ばかりでなく、「怪盗ルパン、活躍の地」や、昨今のテロ事件でにわかに注目を集めた作家をとりあげた章もあります。「美食と文学の旅」、「映画とパリをめぐる旅」などのコラムや、随所に配置された「読書案内」を活用し、未知の作品と出会う旅へ、皆さんも出発してみてはいかがでしょうか。

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