目次
はじめに
第一章 日本の少年非行
第二章 少年非行の「発生」
第三章 家庭裁判所と少年非行
第四章 少年院と保護観察
第五章 触法少年・虞犯少年
第六章 少年の刑事裁判と今後の展望
参考文献
前書きなど
「逸脱行動論」の観点から少年非行を考察するとは何か。それは、少年非行を、逸脱行動をする非行少年のみならず、少年非行へ対処する社会統制機関との相互作用を通じて構成されるものとして考察することである。その際に、少年非行の被害者や逸脱行動を目撃したり、地域で経験したり、マスメディアなどを通じて知ることによって逸脱行動への特定の社会的態度をとる「社会の構成員」、逸脱行動への複数の社会統制機関の対応をも視野に入れる。
少年非行に関して、本書では、それを取り扱う段階別に、とりわけ非行少年への社会的反作用、具体的な対応に着目して考察を進める。非行をした少年が取り扱われる社会統制機関の流れに沿って検討しているので、初めてその名前を聞く制度や組織があるかもしれないが、自然に知識を身につけてもらえるものと思う。
学校で生徒・学生の教育にあたっておられる先生、子育て中の親や少年非行に関心を持っておられる一般のかた、非行年齢の少年少女やそれに近い若者たち、孫や子どもを見守っておられる高齢のかたによって本書が読まれ、新たな視点と気づき、知識と洞察の深まりを提供できることを願ってやまない。(まえがきより)