獅子図

獅子図

(1250×510㎜)

森田樵眠

天保15年(1844)50才頃か

軸寸法　縦約187センチ　約横62センチ

獅子の体躯の隈取りや量感を表す墨の濃淡の筆使いに見られる写実的表現と、
上方に屹立する岸壁の鋭い筆さばきにある文人画的表現とが一体となった、
まさに四条派の作風が遺憾なく伝わる作品である。

構図的には緊密さに欠ける作品ではあるが、両者の間の軽妙な空間表現には、
樵眠の力量の高さがうかがわれる。

少しおどけた獅子の表情も、絵に愛らしい情趣を添えている。