蘭図
(1120×180㎜)
吉田蔵澤
安永6年(1777)56才頃
軸寸法 縦約176センチ 約横29センチ
蘭が画面下方にこじんまりと固い形式で速写され、上方の画賛には、
久而知其芬 豫章人蔵澤とある。
代官就任後本格的に絵を学び始めた頃の初期の作品で、蔵澤らしい奔放さがまだ感じられない。
写実的な傾向もかなり強く感じられるが、それも不消化で一種のもどかしささえ感じられる。
しかし蘭の生命感に即した誠実な描法には非凡なものがある。
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