(1290×470㎜) |
吉田蔵澤 |
寛政10年(1798)77才 |
| |
|
軸寸法 縦約210センチ 約横60センチ |
上方に盛り上がるように構図された岩肌の表現も、破墨によって幾重にも力強く 擦り込まれた輪郭描写だけでその存在感を見事に出している。 |
蔵澤独特の皺法ということができよう。 |
寅印時代といわれる蔵澤晩年に入る、最も充実した頃の作品である。 |
手前の整然とした若竹の群も、その岩肌を包むように上方へと 次第に淡墨の流暢な姿に描かれて、雄大な自然空間を現出している。
|
中央政治から身を引かざるを得なかった蔵澤の心情と、斬新な水墨画の追求に残る 人生をかける気迫とが同時に伝わる作品でもある。 |
|